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日本プロテスタント人物誌 No.35 長谷川保

2023年1月8日

【長谷川保(1903-1994)】 

 長谷川保は長く衆議院議員を務めた政治家ですが、その政治活動の背景には社会事業家としての働きがありました。長谷川が最初に手掛けたのは、結核患者のためのホームの建設ですが、その小さな事業からはじめて、今日聖隷福祉事業団として、浜松市の郊外に、各種社会福祉事業、病院、学校などが展開しています。さらに全国にも事業を展開、総従業員数は約8000人ともいわれています。

 長谷川は最初から社会事業を志したのではありません。彼は1921(大正十)年に浜松商業高校を卒業、上京して島貫兵太夫牧師が始めた日本力行会学校に入学しました。この学校は海外雄飛する人材を育成する全寮制の学校で、長谷川自身はブラジル行きを考えていました。しかし、そこで長谷川はキリスト教に触れ、方向を変えて、故郷に帰り、仲間とともにクリーニング店を開業、それを聖隷社と名付けました。聖隷とは、神の奴隷として人に仕える意味で、当初から社会事業への志があり、そのために聖隷社農場も手掛け、賀川豊彦の影響を受けて、消費組合運動もはじめていました。

長谷川が積極的に福祉事業に着手するきっかけとなったのは、結核患者の受け入れでした。結核は当時死の病として恐れられ、患者は自分の家にも居られなくなり、かといって療養施設も限られ、しばしば見捨てられた状態に置かれたのです。頼ってきた結核患者を見捨てることはできず、患者のために小さな住居を準備することから始め、次第に形を整えていったのです。しかし、その過程は周辺住民の拒否反応にあって、立ち往生の連続でした。押し寄せる患者のために三方が原に広大な土地を取得、結核療養施設を保養農園とオブラートに包んで発足したのでした。

 長谷川の福祉事業は戦後さまざまな方面に拡張され、保育園、老人福祉、病院経営、学校などの設立に至ったのですが、ホスピスも長谷川が日本で最初に手掛けたものでした。社会福祉の開拓者長谷川には深い信仰があり、彼はカルヴァンの『キリスト教綱要』を生涯読み続けた人でもありました。

担当 梅津 順一

カテゴリー:
キリスト教入門
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