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日本プロテスタント人物誌 No.15 杉本鉞子

2022年7月10日

【杉本鉞子(1873-1950)】 

 杉本鉞子は、新渡戸の『武士道』と同じく、英文で記しアメリカで出版した『武士の娘』の著者として有名です。武士の娘とはいっても、彼女が生まれたのは維新後ですが、旧長岡藩筆頭家老の娘として生まれ、育ちました。越後は浄土真宗の信仰が篤い土地柄で、鉞子は生まれたとき、ヘソの緒が数珠のように首にまとわりついていたことから、そのような赤子は尼にすべしとの言い伝えがあり、そのように育てられました。

 ところが文明開化の世の中になり、鉞子は、アメリカに渡っていた兄の友人と結婚することになります。そこで、鉞子はその準備のために東京に出て、英語教育を受けることになります。鉞子が入学したのが、宣教師が経営する海岸女学校(青山学院の前身)でした。ここで鉞子は大きなカルチャーショックを受けることになります。鉞子は、先生や生徒の態度が無作法に感じられました。しかし、先生と生徒たちの間には、たしかに親しい交わりがあることに気が付きます。

 

「厳しいしつけを身に付けた私は、先生や友達にさえ、親しみあうことは心苦しく、こころおきなく友達との交わり、先生にも親しみを感じるまでにはずいぶん時がかかった。」のでした。また、海岸女学校で鉞子が発見したことに、質問することの重要性がありました。以前、鉞子は「母が喘息で悩まされていた」のに対して、ひとびとはそれが「前世の罪業によるものと信じ切っていた」。それに疑問を呈することは禁じられていたのです。鉞子はキリスト教を受け入れることになりますが、彼女にとってキリスト教は、「自由と快活と希望」を与えるものだったのです。

鉞子はこんなところに、大きな喜びを見出しました。あるとき、校長先生が生徒一人一人に、土地の一区画を任せ、自由に花や野菜を植えさせたことがあったそうです。そこには、伝統を破ることなく、家名を汚すこともなく、誰にも気兼ねすることなく、自由に行動できる喜びがありました。その時、鉞子が植えたのは、花ではなくジャガイモでした。そののち、鉞子は二児を育てながら夫に先立たれ、『武士の娘』の著作も、逆境の産物でした。キリスト教信仰は、彼女に自由を与えただけでなく、たくましく育てたのです。

担当 梅津 順一

カテゴリー:
キリスト教入門
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