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日本プロテスタント 人物誌 No.7 森有礼

2022年5月15日

【森有礼(1847-1889)】


 普通、森有礼をプロテスタント人物誌として取り上げられることはありません。その息子である森明は日本基督教団の中渋谷教会の創立者で牧師であり、その息子、したがって有礼の孫の森有正は、フランス哲学者であり、パスカルやドストエフスキーを論じた思想家として知られています。しかし、実は、日本の初代文部大臣であり、明治憲法発布の日に暗殺された森有礼自身が、深くキリスト教信仰の影響を受けた人物でした。

 薩摩藩は幕末にイギリスとの戦闘に敗れたのち、イギリスに学ぶべきことを悟り、15名の青年藩士をイギリスに留学させますが、当時18歳の森有礼はその一員にえらばれ、ロンドン大学に入学します。その留学中に、日本に滞在していたある外交官の紹介で、独特な宗教運動を行っていた、トーマス・レイク・ハリスを知るようになります。ハリスはニューヨーク州にコロニー(農場でもあり修道院のようでもある)を開設し、人々を招き労働と修養の日々を指導していました。

 このハリスのコロニーに薩摩藩の留学生が招かれ、修養の生活を送り、とくに森有礼ともう一人は、一年間滞在しています。森は帰国後、維新政府の官僚となり、とくに外交官としてアメリカやイギリスに滞在していますが、彼自身は新政府の教育政策に意欲があり、初代の文部大臣に就任します。森の教育政策にはキリスト教的背景があり、儒教を重視する一部の人は、森を大臣にすることには強く反対しています。森は伊勢神宮で不敬を働いたという悪質なデマを流され、反感者の怒りを招き暗殺につながりました。暗殺されたのち、関係者によって森のキリスト教的背景は意識的に消されたそうです。

森はアメリカ式の結婚式、すなわち広瀬常との間で契約を交わして結婚式を挙げたことでも知られています。ただし、十年余で協議離婚。アメリカ式の離婚経験者ともなりました。ちなみに、森明は後妻となった寛子(岩倉具視の娘)との間の子どもです。

担当 梅津 順一

カテゴリー:
キリスト教入門
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