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世界史とキリスト 第十一回 王国の分裂

  ソロモン王の死後、イスラエル王国は南王国ユダと北王国イスラエルに分裂してしまいます。確かに、ソロモン王は神殿や王宮を建設し、強固な要塞を造り、強力な軍隊を組織しましたし、諸外国との貿易を盛んにするなど王国の発展に寄与しました。しかし、その反面で、重税を課し、また強制労働を強化したことで、各地に不満が昂じてきたのです。ソロモンの息子で後継者となったレハベアムに対して、直ちに北の部族から反発が表面化し、北の十部族は、ヤロブアムを王位に就け、王国は分裂したのです。

南王国では、ダビデ家の王たちの支配が続いたのに対し、北王国では王朝の交替が相次ぎました。ヤロブアムの王位はその子が継承しましたが、暗殺され暗殺者バシャが王となり、その子もまた暗殺されたのです。比較的長く続いたのは、オムリ王朝でその時サマリアが首都とされました。オムリの子アハブ王と王妃イザベルは、異教の神バアル崇拝を導入し、預言者エリヤの批判を浴びました。

オムリ王朝を倒して、イエフ王朝がはじまります。イエフはバアル崇拝を排除しましたが、北の強国アッシリアに対して、自発的に属国となり、貢物を献上しています。下の図は、イエフがアッシリアの王に拝礼している様子を描いたものです。これはユダヤ人の王を描いたオベリスクの刻印で、紀元前841年の出来事とされています。

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/e/ec/Black_Obelisk_Yehu_in_front_of_Shalmaneser_III.jpg/450px-

担当:梅津順一

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