【最終回】
新型コロナ・ウィルスの蔓延で、教会も集会の縮小を余儀なくされ、交わりの会での学びの場も中断されたことから、代わりになるものを何かできないものか。そこで牧師と相談して始めたのが、この日曜学校成人科、プリントでの「人物誌」でした。幸い熱心に読んでくださる方もあって、一年近く回を重ねて42回、ここで一区切りとすることにしました。
もちろん、もっともっと取り上げたい方々がおられることは事実です。また、取り上げた方々に偏りがあることも事実です。たとえば、初代の指導者を除いて、プロテスタント教会の著名な神学者、牧師、すなわち指導的な立場に立つ方はご遠慮しました。指導を受けた信徒たち、教会で育った信徒たちに焦点を集めました。その木が良い木かどうかは、その木がどのような果実を実らせるかによって分かるという聖書の言葉がありますが、日本のプロテスタント・キリスト教も、そこにどれだけ偉い神学者、指導者がいるかどうかよりも、どのような信徒が育っているかが重要と考えたからです。
また、私自身の視野の限界、すなわち私の不得意分野からはあまり取り上げることができませんでした。たとえば、文学の分野。詩人の八木重吉とか、三浦綾子。漫画家の長谷川町子、音楽では、「ふるさと」の作曲者として有名な岡野貞一もいます。芸術家の肖像をただしく伝えることは、とても私の任ではありませんでした。それに残念なことに、比較的最近の方々も取り上げることはできませんでした。たとえば、私と同世代で、アフガニスタンに命をささげた中村哲医師、体育教師で、鉄棒事故のため半身不随となりながら、「絵と文」の作家となった星野富弘さん。お二人とも奇跡ともいえる存在です。
ここで取り上げた四十数名を振り返ってみますと、教育の分野、医療の分野、福祉の分野が多く、日本社会で開拓者の立場にあったことに気が付きます。それに忘れてはならないことは、その傑出した人々を支えた人も多くいたことです。日本のプロテスタント教会には、彼ら、彼女らの貴重な仕事を支えた多くの人々がいたのです。ですから、日本のプロテスタント諸教会の祈りが、彼ら、彼女らの仕事を支えたとも言えます。昨今の日本の教会は、やや自信喪失気味ですが、私たちには大きな精神的遺産があることも感謝すべきことではないでしょうか。
担当 梅津 順一
- カテゴリー:
- キリスト教入門
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