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日本プロテスタント人物誌 No.38 岩村 昇

2023年1月29日

【岩村昇(1924-2016)】 

 岩村昇は鳥取大学医学部で公衆衛生学の助教授であったとき、日本キリスト教海外医療協力会の派遣ワーカー(医師)として、ネパールに向かいました。ある会議で日野原重明医師が、ネパールで公衆衛生の専門家を求めていると報告し、志願者を求めてアピールしたのに、岩村医師が立ち上がったのでした。当時は、伊勢湾台風の大惨事が起こり、救援活動が繰り広げられていましたが、その光景を見ながら、自ら医療活動の原点に立つことを決心したのです。

 岩村は愛媛県宇和島の小さな油脂工場の経営者の家庭に生まれました。両親が結婚して七年目に生まれた待望の子供で、難産の末、ちょうど太陽が昇るころ産声を上げたので、昇と命名されました。昇少年は、宇和島中学(旧制)から、広島高等工業学校(現広島大学工学部)に進み、二年生のとき原爆投下により被爆しています。爆心地から2キロにあった学校にいて、倒壊した倉庫の下敷きになり、全身に血まみれ、二日経ってようやく意識を取り戻しました。被爆の後遺症は、生涯消えることはありませんでした。

 母はクリスチャンでしたが、岩村自身がキリスト者となる重要な出会いがありました。旧制松山高校に在学中、アメリカ人の女性宣教師が街頭で、「罪人よ、悔い改めよ」と伝道していました。これに対して岩村は、何をいうか。悔い改めなければならないのは、無辜の非戦闘員に原爆を投下したアメリカではないか、と反論したのです。すると、その女性は岩村の足元にひざまずき、泣いて祈り始めたのでした。その祈りに心動かされ、岩村は教会に導かれ、洗礼を受けたのです。

 ネパールで岩村は、首都カトマンズからプロペラ機とトラックを乗り継ぎ、さらに徒歩で山を越えて、たどり着いた「山の上の病院」に赴任しました。最大の病気は結核、患者もまた何日も歩いて病院にたどり着く状態。岩村は近隣の村々を訪問し、結核予防のための環境整備と、住民に即した早期発見と治療に取り組んでいます。「住民参加」による「住民のための」結核対策を工夫したのです。岩村はまた、住民たちに助け合いの精神が生きていることに感銘を受け、与えるだけでなく受けることも多かったと語っています。

担当 梅津 順一

カテゴリー:
キリスト教入門
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