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日本プロテスタント人物誌 No.41 小倉昌男

2023年2月19日

【小倉昌男 (1924-2005)】 

小倉昌男という名前を知っている方は、そう多くはないでしょう。しかし、クロネコ・ヤマトの宅急便の創業者といえば、親しい気持ちをもつ方も多いのではないでしょうか。今日では宅急便は、日常生活に無くてはならないものになっていますが、日本で宅急便の営業が開始されたのが1976年(昭和51年)ですから、ある年代以上のものにとっては、新しいサーヴィスです。小倉の父は大和運輸の創業者、その父の会社で仕事をするようになり、第一次石油ショックで経営が行き詰まり、社長として新しく着手し、成功させたのが宅急便だったのです。

 小倉は渋谷区の代々木生まれ、当時の中高一貫校で、イギリスのパブリック・スクールの名門校を模範として、ジェントルマン教育を目指した東京高校で学んでいます。日中戦争で戦時色が強くなる時期でしたが、自由な教育で寮生活を経験し、スポーツにも熱中しています。大学は東京大学経済学部に進み、学業を中途に学徒出陣で、陸軍の予備士官学校に入学、名古屋の部隊に配属されたところで、終戦。大学では、大塚久雄教授の講義で、経済活動に倫理があり、宗教意識とも切り離せないとの指摘が、後々までも心に残ったのでした。

 キリスト教との出会いは、結核療養中に訪れました。父の会社に入社し、ほどなくして病を得て数年間入院生活を送ることになったのです。実は、当時青山学院大学卒業の才色兼備の女友達ができ、結婚を考えていましたが、親は反対。彼女は入院中に、聖書を聖句入りのカレンダーを差し入れてくれました。入院が長引いて彼女との関係も途絶えたころ、救世軍の大佐(牧師)の導きで、神の救いに目覚め、入信することになります。後に、小倉はカトリックの女性を妻に迎え、晩年にカトリックに改宗しています。

 小倉はアメリカの事例から、宅急便に取り組むのですが、もっとも重視したのは「利用者の立場でものを考える」ことでした。とくに主婦に視点で、身近な取次店で出荷でき、配達も翌日に。それが受け入れられ、初日十一個から初めて、初年度で170万個に達したのでした。経営者小倉は、退社後、私財を投じて「ヤマト福祉財団」を設立、障碍者の社会参加と自立を援助する取り組みを行っています。

担当 梅津 順一

カテゴリー:
キリスト教入門
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