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日本プロテスタント人物誌 No.37 阿部志郎

2023年1月22日

【阿部志郎(1926-)】 

 阿部志郎は戦後の日本で、社会福祉の分野で大きな足跡を残しています。青山学院院長でメソジスト教会の監督阿部義宗の四番目の子として生まれた志郎は、青山キャンパスの教職員住居で育ち、青山学院中学高校で学び、当時青山学院と合併した明治学院専門学校で学び、一橋大学を卒業しています。大学では、産業革命史研究とともに、社会問題に取り組んだ、トインビーを学び、阿部自身もトインビーの跡を行くことになりました。

 戦後阿部はニューヨークのユニオン神学校で学び、帰国後は明治学院大学で教えていますが、横須賀基督教社会館の館長として地域福祉の第一線に立つことになります。ソーシャルワーカーを志す上で、阿部にはハンセン病療養所での井深八重との出会いがありました。彼女は若い日にハンセン病と診断され療養所に収容され、その診断が誤診と分かったのちも、療養所に看護師としてとどまったのでした。阿部は八重の奉仕する姿に感動し、実業への道から方向を変えたのです。

 阿部志郎は横須賀基督教社会館で長く働いたのち、神奈川県立保健福祉大学の初代学長に就任していますが、このことは阿部が地域福祉の優れた実践者であると同時に、地域福祉を学問的に、思想的にとらえてきたことを意味しています。福祉の実践者であると同時に、福祉の哲学者であることは、決して簡単なことではありません。阿部はスウェーデンやアメリカといった欧米社会、あるいはアジアやアラブの世界、それに日本の伝統的な福祉のあり方を視野に置いて、今日的な福祉の課題を示しています。

 また、キリスト教を掲げた地域福祉の指導者が、公立大学の学長に迎えられることも注目すべきことです。阿部のキリスト教を背景とする福祉のこころ、福祉の実践が、キリスト教の外にいる人々に感銘を与えているのです。教会に属するものは、阿部の活動を通して地域の福祉の課題を知ることができますし、また、私共キリスト者は少数者であっても、日本社会にあって教会の外にいる人々とともに歩み、よい働きをなすことができることを教えられるからです。

担当 梅津 順一

カテゴリー:
キリスト教入門
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