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日本プロテスタント人物誌 No.34 香川 綾

2022年12月18日

【香川綾(1899 -1997)】 

 普通、プロスタント人物誌で香川綾が取り上げられることはありません。彼女は積極的に信仰を語ることはありませんでした。彼女は日本の栄養学の開拓者で、女子栄養大学の創設者として知られていますが、その事業が彼女の信仰から説明されることはありません。しかし、彼女の生き方の土台は、その母の信仰に養われたものでした。母は和歌山を開拓伝道したヘール宣教師の影響を受け、子供たちを、聖書を読み、讃美歌を歌いつつ育てたのでした。

 香川綾は小さいころから、堅固な意志と使命感をもっていました。彼女は十四歳の時、心優しい母が急逝したのをきっかけに、医師を志すようになります。しかし、道は容易に開けず、当面父が勧める師範学校(教員養成学校)に入学して、教師の道を進むことになります。教員生活三年を経て、22歳で大阪から上京、東京女子医学専門学校(現:東京女子医大)に入学しています。

 卒業後は、東京大学医学部内科学教室勤務となりますが、そこで先生に最初に言われたことは、「あなたはご飯が炊けますか」であったとか。綾はその設問を、「お米の科学的炊き方」の研究と受け止めといいます。コメに水を浸す時間、炊く時の水の温度、蒸気の出し方、火加減、ふたの重さとの関係など。次に出されたテーマは、日本の食品のビタミンB含有量と調理の関係であったとか。当時は、ビタミンBと脚気の関係が注目されていたのです。

 綾は研究室の先輩と結婚、二人で「家庭食養研究会」を組織、予防医学として健康と栄養の関係に取り組み、後の女子栄養大学の基礎ができました。綾の信仰は、栄養学の開拓者精神となり、主婦の調理を助ける計量カップなどの工夫、胚芽米の提案、栄養改善のための「五つの食品群」の分類ともなりました。しかし、順風満帆であったわけでなく、戦時中に夫は急逝、戦後の混乱期には、体当たりで学園の再建に取り組みました。彼女の生き方には、たしかにプロテスタント信仰の力があったのです。

担当 梅津 順一

カテゴリー:
キリスト教入門
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