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日本プロテスタント人物誌 No.32 沢田美喜

2022年12月4日

【沢田美喜(1901-1980)】 

 沢田美喜は、児童養護施設エリザベス・サンダース・ホームの創立者です。彼女が創立したのは、1948年、占領軍兵士と日本人女性との間に生まれた乳幼児のための施設でした。彼女は戦後、列車内で劇的な経験をします。混雑する車内で網棚から落ちた包みを手にしたところ、そこに赤ちゃんの遺体があり、乗り合わせた警官に、死体遺棄の嫌疑がかけられたのです。その事件を機縁に、彼女は当時増えつつあったそうした子供たちのホーム建設に乗り出すことになったのです。

 沢田美喜、旧姓岩崎美喜は、三菱財閥の創始者岩崎弥太郎の孫として生まれました。岩崎家は驚くほど質素な生活で、彼女の着物は三人の兄のお下がりで、女の子らしい着物は、特別のお祝いの時しか着せてもらえなかったそうです。もっとも、お茶の水の学校には、護衛付きの通学で、一人で道を歩くことも、電車に乗ることもできなかった。英語は、兄たちと一緒に、家庭教師として来ていただいた津田梅子から学ぶことができました。

 岩崎家は真言宗の家だったのですが、彼女は小さい時からキリスト教に惹かれることがありました。敵討ちの美談を聞かされている中で、「汝の敵を愛せよ」との聖書の言葉が、新鮮に響いてきたのです。しかし、友人から密かに手に入れた聖書も、取り上げられ燃やされてしまいました。後に彼女は、クリスチャンの外交官沢田廉三と見合いし結婚したのですが、この結婚は彼女にとって、キリスト教と外国生活という二つの魅力がありました。

 沢田は外交官夫人として、ロンドン、パリ、北京などに滞在、華やかな海外生活を経験していますが、ロンドンでドクター・バナードス・ホームという孤児院に出会います。日本では暗い印象のある孤児院がここでは明るい希望の家となっている。小学校、中学校、高校があり、職業指導の学校、実習の工場もあって、十八歳で出るときには、子供たちは職業の技能だけでなく、それまでに働いて得た預金を持つこともできたのです。その日彼女に、日本にこうしたホームを作りたいとの願いが芽生え、それが十数年後に実現したのでした。

担当 梅津 順一

カテゴリー:
キリスト教入門
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