【ヴァイニング夫人(1902-1999)】
日本の敗戦とその後の占領軍による民主化政策は、日本のプロテスタントにとって大きな追い風となりました。ダグラス・マッカーサー元帥は、敗戦による日本人の精神的虚脱状態に注目し、民主化を成功させるために、精神的空白を埋めるものとして、キリスト教が重要だと考えたのです。マッカーサーはアメリカの教会関係者に聖書とともに、宣教師を送り出すことを求めています。三鷹の中島飛行機研究所という軍事施設に、国際キリスト教大学が設立された背景にも、占領政策の後押しがありました。
今回取り上げるヴァイニング夫人は、敗戦の翌年にアメリカから来日し、当時13歳の皇太子(現上皇)の家庭教師となったクエイカー教徒です。彼女はフィラデルフィアの出身で、名門ブリン・モア女子大を卒業、当時43歳、大学で司書をしながら、児童文学の作家でもありました。彼女は結婚しましたが、夫を交通事故で失っています。アメリカから家庭教師を迎えることは、それもマッカーサー元帥の発案と誤解される場合がありますが、これは昭和天皇自身の要請で実現したものでした。
確かに、教育政策立案のためにアメリカから教育使節団が招かれましたが、使節団に対して天皇の方から皇太子のために教師の派遣を求めたのです。その条件は、アメリカ人女性で年齢は50歳ぐらい、「キリスト教徒であっても狂信的でない」人物、また、これまで日本のことを知らない人物が良いとのこと。このニュースはまたたくまに広まり、応募者が殺到したそうですが、クエイカーの関係からヴァイニング夫人が推薦されることになりました。
彼女は、「キリスト教徒であっても狂信的でない」という条件を、皇太子にキリスト教への改宗を求めないことと理解しました。とはいえ、教育内容についてはまったく自由が与えられ、宗教が大きな役割を果たした人物については話したそうです。クエイカー教徒は毎年一回礼拝で、「あなたがたの集まりは聖なるものの導きを心待ちにする思いで持たれていますか。」と自問するそうです。彼女も、四年間の仕事の間、つねに「内なる導き」を求め、それを受けているとの思いを絶えず新たにしていました。
担当 梅津 順一
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