【ジェーンズ大尉(1837-1909)】
新開地の横浜で、宣教師の下で英語を学ぶことでキリスト教に触れた人々の中から横浜バンドが誕生したことはすでに述べましたが、熊本洋学校に学んだ生徒たちから、熊本バンドが誕生しました。熊本洋学校とは旧熊本藩の進歩的な指導者たちが、子弟に西洋の学問を学ばせるために建てた学校です。その熊本洋学校の教師として招かれたのがジェーンズ大尉でした。
ジェーンズ大尉は、キリスト教を伝道するために日本に来たわけではありません。彼自身はオハイオ州の出身で、アメリカの陸軍士官学校で学んでいますから、軍人の教育を受け、南北戦争では北軍の少尉として従軍しています。退役時には大尉すなわちキャプテンとなっていました。ジェーンズ大尉を日本に紹介したのは、第二回に紹介したフルベッキでした。熊本藩の人々は、軍人出身者を望み、フルベッキは教会関係者の協力を得て、ジェーンズに行き着きました。
ジェーンズは彼自身が教育を受けた陸軍士官学校をモデルに考えていました。生徒はみな寄宿舎に住み、鐘の音とともに始まる朝の起床から、夜就寝するまで、細かな規則で縛られたようです。授業は朝八時から十二時、午後は一時から四時まで、ジェーンズはクラスを少人数に分け、その小人数を教えている間は、ほかのグループは自習をしなければなりませんでした。授業は当然英語、ということは、まず全員が英語を叩き込まれたことになります。ABCからはじめて、発音を教え、反復練習が課せられました。
英語が分からなければ始まらないので、一日40語を覚えさせられたといいます。出来ない生徒は遠慮なく退校。生徒は毎日、成績順に座らされたとか。英語を身に付けたのち、アメリカの学校と同じ学科の教育がはじまりました。熊本藩の人々は、役に立つ学問の指導を期待していましたが、人間教育は儒教でやると考えていました。ところが、生徒たちの間でキリスト教への関心が芽生え、聖書を学び、礼拝し、祈り、ついにはキリスト教によって日本国を建てることを目指すに至ったのです。熊本洋学校の卒業生は、出来たばかりの同志社英学校に進み、海老名弾正、小崎弘道といったキリスト教指導者が誕生しました。
担当 梅津 順一
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- キリスト教入門
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